施行に困った物件

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 沈下修正工事で施行し辛い建物、困る物件など有ります。

±5mmを目標値とし施工するのですが、施行精度以内に収まらない悪条件があります。

 今までの施行実績の中で苦労したものを下記に紹介します。その条件などに当てはまる物件は施行費用が高くなる傾向が有ります。施工精度が落ちる条件など事前に把握して頂ければと思います。

​ しかし下記条件に当てはまらなければ費用を抑える事が可能とも判断出来ます。

無筋の基礎・CB基礎

油圧ジャッキの数が多くなるため施工手間が多くなります。

 コンクリート基礎は鉄筋が無いと引っ張りに弱く、そのため油圧ジャッキで支持する距離が遠いと基礎が折れます。有筋基礎より距離を縮めて設置するとジャッキ数が増えて施工金額が上がります。CB基礎は修正不可能と言っていいほど割れます。ベースが無いCB基礎は基礎とは考えません。昔の水廻り腰壁はCB積が多いのですが、ほぼ影響出ます。

 レベルを修正しても基礎が弱ければ再沈下の可能性が高まります。

 

​機材搬入が出来ない

機材搬入が出来ない建物はハンドジャッキや手運び出来る道具で沈下修正するしかありません。

 沈下の原因である地盤に薬液注入など地盤対策が出来ずに建物を持ち上げるだけの作業になることがあります。建物周囲が狭い場合なども無理な施工を迫られて手間が増える割に良い施工にはならない事もあります。

 機材機器が揃ってこそ施工品質を保てますので搬入が不可能な場合はその場しのぎの施工になることになります。その際は施工の前にリスク等を十分施主様に説明をしたうえで判断してもらいます。

 お問い合わせで住所を聞くのは機材搬入が可能かを調べるためでもあります。

 

​傾いた状態での改修

傾いた状態でリフォームや増築をされている場合、レベル修正時に逆に痛みが多くなります。

 傾いた状態だと建物(柱)のタチがゆがみます。建具も硬くなったり自然に開いたりします。その状態をリフォームで壁やり替えや建具調整をしてしまうと沈下修正した際にタチが少なからず直りますので建具の破損、壁の破損が出ます。

 増築や間取り変更されている場合はさらに痛みが大きくなります。外壁や屋根のジョイント部分の影響が大きいのですが、一番困るのは完全なレベル修正が出来ないことです。

 沈下した建物と沈下してない建物が一棟になっているので、沈下箇所を治すと沈下してない箇所がおかしくなります。施工して建物を傷めた様に思われてしまします。

 増築やリフォームをする前に傾きなど状況を確認してください。

 

​擁壁が原因の建物沈下

擁壁や間知石が傾いたことで沈下した物件

 擁壁が傾いた、または擁壁が沈下した場合は土も動くため建物に影響が出ます。建物を沈下修正する事は出来ますが、擁壁自体の沈下修正や沈下防止は出来ません。

 間知石積で腹が出ている、または亀裂や空隙の有るものは止めようがありません。建物を修正しても再沈下の可能性は出ます。

 薬液注入も十分にできないため鋼管杭圧入工法を選択することが多く、且つ圧入箇所を多めに設定しますので工事費が高くなります。

​ 10年保証など審査が厳しくなりますのでより施工量が増えます。

 擁壁の状態が著しく悪い場合は施工できないと判断する場合もあります

 

床下空間が無い

作業員が入れなければ床を撤去するしかありません。

 床下作業はベタ基礎では余り有りませんが、それ以外の基礎の場合は油圧ジャッキを併用する場合が多いため、進入できる空間が無ければ床を撤去するしかありません。生活をされながらの施工が基本ですが施工条件が悪いと施工期間中の引っ越しが必要になります。また床撤去復旧の費用が発生します。

 床下点検口が無い建物はどこかで点検口を新たに設けていただく必要があります。

 床下条件により沈下修正以外の工事費用が掛かりますので床下は調査時に確認させていただきます。