沈下修正の
工事金額
どの程度?
見積り提出までにまず聞かれるのは『工事費いくらくらい?』
なかなか周囲に沈下修正をされた方も居ないと思います。誰にも参考金額が聞けないので工事金額が想定よりも大幅に違った場合を想像して不安になられるのかと思います。
実際に物件の施工条件や沈下量、基礎の種類や地盤調査結果、構造、周囲の状況など多岐にわたる条件を考慮してで積算を行います。
【面積×㎡単価+諸経費=工事金額】
と簡単なものではありません。
ただ見積り・施工を何百件と行った結果、過去の平均金額は出すことが出来ます。工法により工事内容が変わり金額も変わってきます。下記に平均工事金額を”参考程度”にまとめてみました。
沈下範囲は全体修正として60㎡、沈下量は片側に10cm未満と仮定します。コンクリート斫り・ガラ処分・残土処分は条件により量が変わるため参考金額に含まないものとします。建物は四角に近い形状とします。
※保証の有無により保証料や調査料が変わってきます。
薬液注入工法
ベタ基礎と布基礎では油圧ジャッキを併用する違いがあります。地盤改良は深さ2mと仮定して周囲擁壁無しとします。
【ベタ基礎】 ≒230万~350万 工期10日前後
【布基礎】 ≒400万~(基礎形状により変わります) 工期2週間~
【土間修正】工場土間など60㎡として≒110万~ ~4日
鋼管杭圧入工法
ベタ基礎と布基礎では圧入箇所数が大きく違います。支持層を2~3mと仮定とします。支持層の深さにより金額が大きく変わります。
【ベタ基礎】 ≒450万~ 基礎下掘削なし 工期1ヶ月
【布基礎】 ≒630万~ 工期1ヶ月半
耐圧板工法
鋼管杭圧入箇所と同じ位置に耐圧板設置する想定です。支持層2mまで届かないのでコンクリート平板圧入を5枚と想定します。
【ベタ基礎】 ≒150万~ 基礎下掘削なし 工期1週間
【布基礎】 ≒260万~ 工期2週間
土台上げ
土台に痛みが無くアンカーボルトを緩めることが可能であることとします。
左官仕上げやアンカー加工など含んでいません。土台上げはベタ基礎も布基礎も施工内容は同じで金額は変わりません。
【ベタ基礎・布基礎】 ≒80万~ 工期2日~
曳家嵩上げ・バルクアップ工法
水害対策などで建物を≒50cm持ち上げたうえでレベル修正し空隙充填を行い固定します。地盤改良は含まれないと仮定します。レベル修正する金額+αで建物の高さを変えることが出来ます。
【ベタ基礎】嵩上げ≒400万+充填剤¥150万 工期2週間
【布基礎】 嵩上げ≒550万+充填剤約¥150万 工期3週間
部分沈下修正・柱上げ
部分的な沈下修正は修正面積が小さくなれば施工費は安くなりますが、使用機材の運搬や使用料など同じだけかかります。距離にもよるため参考程度です。
【設置仮設費・引き上げ】薬液ポンプ・連動油圧ジャッキ・動力発電機・ロッド・削孔機・水桶・資材・養生消耗品 等を含み≒¥30万~
柱上げは鋼材で挟み込み油圧ジャッキで持ち上げるので2人施工です。本数や範囲にもよりますが
【柱上げ】 1本¥2.5万×本数+諸経費 (一般住宅のみ)
【お寺等の重量柱】 1本¥10万~¥40万+諸経費(何本か修正する場合)
※組付け面積で積算する場合もあります。※1本のみの場合は調査費等が必要です。